FC2ブログ









◆◇ 「児童等の尊厳を保持するため」 の法律 ◇◆ 

180723 0629文科省「いじめ防止対策協議会」
【写真】 文部科学省 「いじめ防止対策協議会」 (2018年6月29日)

◆ 「児童等の尊厳を保持するため」の法律 ◆

 7月、夏休みが始まった学校も多いと思いますが、いじめの相談が相次いでいます。

 今年6月で、いじめ防止対策推進法 (いじめ防止法) が制定されてから5年になり、学校現場も変わってきました。
 いじめを見逃してはいけないという意識が、学校現場に根付きつつあります。しかし、中には、「喧嘩だ」 「仲たがいだ」 などと言って、いじめを認めようとしない教師もまだいるようです。

 先日 (6月29日)、文部科学省で開催された 「いじめ防止対策協議会」 を傍聴しました。
 会議中に、文部科学省が、総務省から、今年3月、
「法律のいじめの定義を限定解釈しないように周知徹底すること」
「法律等に基づく措置を確実・適切に講ずることを周知徹底すること」
など、いじめ防止対策推進法を守るようにとの「勧告」をされていたことが報告されました。

 法律で 「いじめ」 の定義は明確に定められているのですが、文科省が発表する、児童生徒1000人当たりの 「いじめ認知件数」 は、都道府県間で約 19倍と大きな差があります。
 総務省はこのような状況を問題視し、各地の教育委員会等が設置した第三者委員会の調査報告書67通を分析して、教師がいじめ認知の際、継続性、一方的、集団性など法律のいじめの定義とは別の要素を判断基準としていたり、「この程度は悪ふざけやじゃれ合いで問題ない」、「本人が『大丈夫』」 と言ったからいじめではない」 などと、いじめ防止対策推進法のいじめの定義を限定解釈しているケースが多数あったことから、文科省に前述の勧告がなされたのです。

 「いじめ防止対策協議会」 では、総務省からの 「勧告」 をふまえての文科省の対応が紹介されました。
 対応としては、生徒指導担当者の会議等で 「勧告」 内容を周知徹底すること、
全国の教育委員会に勧告を踏まえた 「通知」 を3月26日に発したこと、
 「通知」 の内容は、
・ いじめの認知件数がゼロであった場合には、そのことを児童生徒や保護者に公表し、認知漏れがないか確認すること、
・ いじめの認知件数に学校間で大きな差がある場合には、その原因を分析し、いじめ認知への消極姿勢や認知漏れがないか確認すること、
・ いじめの認知にあたっては、加害行為の 「継続性」 「集団性 」等の要素により、法律のいじめ定義を限定的に解釈しないこと、
・ 全ての教職員に資料を配布するなどして、いじめの正確な認知に関し共通理解を図るなど周知徹底すること、
・ 本年5月末時点において、全ての学校で取組みがなされたか確認すること等であると紹介されました。

 総務省が勧告したことは意外でしたが、今回の文科省からの通知で、今年秋に発表される昨年度のいじめ認知件数に変化があるのか、注目していきたいと思います。

 いじめ防止対策推進法では、いじめられた児童生徒が、「いじめだ」 と苦痛を感じていれば 「いじめ」 なのです。(同法第2条)。
 それを限定的に解釈する原因としては、一つには法律を読んでいない教師がいるという現実があります。
 総務省の調査でも平成18年以前のいじめの定義で判断していた例が分かっています。
 文科省の「いじめ防止対策協議会」の委員からも、
「生徒指導の教員を集めての研修会で、いじめ禁止は何条に規定されているかと聞いても誰も答えられない。約80人が参加していたが、いじめ防止法を読んでいる先生はほとんどいなかった」
との指摘がありました。

 また、故意にねじ曲げて、独自の解釈を押し通す教師もかなりいます。
 総務省の調査でも、数名から下着を下げられてひどく傷ついたという事案で、「単発行為で継続性がないのでいじめと認めなかった」 というケースがあったことが報告されています。
 要するに 「いじめと認めると面倒くさい」 ということなのでしょう。
 同省の調査では、「子供のトラブルで、すぐに解消した事案を認知すると相当な数となる」 等の理由で、「継続性」 「集団性」 「一方的」 などの要素で限定解釈した事案が24%もありました。

 学校だけではなく、いじめ調査の第三者委員会においても、法律のいじめの定義を限定解釈した事例が相次いでいます。
 東京都葛飾区では、2014年4月、中3男子が自殺しました。
 その日、顧問の教師が不在の部活中に、その中3男子生徒は身体が動かなくなってしまいました。
 他の部員たちは、その動けない生徒に、「霧吹きで水をかける」、「ピンポン球をぶつける」、「ジャージのズボンを下ろそうとする」などし、中3男子は直後に学校を出て自殺しました。
 本年3月、第三者委員会は、
「これらの一連の行為は、生徒たちの間でふざけている行為として、日常許されているとの共通認識があった」、
「法律の定義を用いて形式的に評価すべきではない」
として、いじめとは評価できないとしました。
 この結論に、区役所には抗議の電話が相次ぎ、文部科学省も、葛飾区に対して、「行政はいじめ防止法の定義で判断すべきだ」と指摘しました。
 6月、葛飾区長は、第三者委員会の結論をくつがえし、
「一連の行為はいじめに該当する」、
「生徒たちの一連の行為が自殺への衝動に影響を与えた可能性は否定できない」
との区の見解を発表しました。

 いじめ防止対策推進法は、第1条に同法の目的として、「いじめが、被害児童等の教育を受ける権利を侵害したり、生命身体にも重大な危険を生じさせること等にかんがみ、児童等の尊厳を保持するため、いじめ防止等のための対策を、総合的、効果的に推進することを目的とする」旨 定めています。
 つまり、いじめ被害児童生徒を救済するのが目的なのです。
 先生方には、徹底して「被害者を守るという姿勢」から逃げることのないようにお願いしたいものです。

 いじめかなと思ったら、ためらわずにご連絡ください。
 解決に向けて、お役に立てれば幸いです。

いじめから子供を守ろう ネットワーク
松井 妙子

(注)いじめ防止対策推進法
(目的)
第一条 この法律は、いじめが、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、児童等の尊厳を保持するため、いじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。以下同じ。)のための対策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体等の責務を明らかにし、並びにいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針の策定について定めるとともに、いじめの防止等のための対策の基本となる事項を定めることにより、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。


 

いじめHPバナー
※記事以外のコメントはBBSへ投稿下さい。

☆保護者向け掲示板☆       ☆児童・生徒向け掲示板☆
いじめから子供を救え!BBS-おとな向け掲示板-       いじめかきこみ寺-こども向け掲示板-


☆ご協力のお願い☆現代のいじめ問題を多くの人に知ってもらい、日本の子供たちを救う運動を広げるために、「ランキング」への投票を、ぜひお願いします☆m(_ _)m↓(下のバナーを、それぞれクリックしてください)

banner2.gif      ブログランキング・にほんブログ村へ      a_03.gif

↑人気ブログランキング    ↑ブログ村           ↑FC2ブログ

 

[ 2018/07/23 10:29 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

「ひとりひとりから学ぶ会 in 小矢部」 で 井澤一明代表が講演 「誇りを育てる大切さ」 

「ひとりひとりから学ぶ会」 で
井澤一明代表が講演


 先月8日に、富山県小矢部市で開催された、市民グループ 「ひとりひとりから学ぶ会」 の講演会に参加された方が、写真を送ってくださいました。(会場 : クロスランドおやべ セレナホール)。

180717 0608ひとりひとりから学ぶ会

 講演会では、井澤一明(いじめから子供を守ろうネットワーク)代表のほか、地元で学習塾を経営し多くの子供たちを育んできた塾長の先生、主婦代表の女性などが登壇し、和気あいあいとした雰囲気のなか、今回の講演会のテーマ 「誇りを育てる大切さ」 について、熱く語りあいました。

 

いじめHPバナー
※記事以外のコメントはBBSへ投稿下さい。

☆保護者向け掲示板☆       ☆児童・生徒向け掲示板☆
いじめから子供を救え!BBS-おとな向け掲示板-       いじめかきこみ寺-こども向け掲示板-


☆ご協力のお願い☆現代のいじめ問題を多くの人に知ってもらい、日本の子供たちを救う運動を広げるために、「ランキング」への投票を、ぜひお願いします☆m(_ _)m↓(下のバナーを、それぞれクリックしてください)

banner2.gif      ブログランキング・にほんブログ村へ      a_03.gif

↑人気ブログランキング    ↑ブログ村           ↑FC2ブログ

 

[ 2018/07/17 14:09 ] 活動報告&集い | TB(0) | コメント(0)

◇ 代表メッセージ (2018年7月) ◇◆ 子どもたちから信頼される 「相談体制」 が求められる ◇◆ 

180709 木洩れ日

◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ 子どもたちから信頼される 「相談体制」 が求められる ◇◆


夏休みが目前に迫ってまいりました。
私たちのところへの相談も毎日届いています。
高校生が、部活で吊し上げにあって、校長に相談したら
「学校の対応が悪かったので謝罪いたします。」と言ってはくれたのですが、
「加害生徒が心から悪いことをしたと思うかどうかは本人次第ですので、謝罪をするように指導はできません」
と逃げてしまったという相談もきています。
校長が責任を放棄したのでは何事もすすみません。
また、私立の小学校でも
「金、もってこい」、「死ね」 などと脅されたので学校に相談したところ、
「加害生徒とその保護者には伝えました。ただ学校は両者の間には入りませんので」
と謝罪の会も開いてくれないというのです。

責任を放棄し、さらには隠蔽を図る学校が跡を絶ちません。
報道によると、去年、兵庫県多可町で小学5年の女子児童が自殺した問題で、第三者委員会は 「いじめ」 が自殺の要因だったと認定しました。
同委員会は、学校が児童のSOSを見逃し、積極的な関与ができなかったことを指摘すると共に、組織的な対応の重要性を掲げています。
学校側は 「女児からいじめの訴えはなかった」としていたのですが、実際には、女児が4年時のアンケートで3回、「はい 」に○を付けてから消し、「いいえ 」に○を付けた形跡があったことがわかりました。
また、他の児童からもいじめられているとの指摘があったことが判明いたしています。
女児は年2回の 「ストレスチェック」 でも高いストレスへの移行がみられていたとのことです。

第三者委は、学校が表面的な対応にとどまったこと、女児の苦痛をキャッチできなかったと指摘し、要因として、
1. いじめの組織的対応が未整備
2. 前思春期の女子グループの理解不足
3. 学校の統廃合による教職員の多忙
をあげています。
第三者委員会はよくやったと思いますが、学校はSOSを見逃したのではなく、故意に見ようとしなかったとしか思えない内容です。
事実であるなら、学校による組織的隠蔽があったと言わざるを得ません。
学校が隠蔽すればするほど、教員の時間と労力を無駄に消費するだけです。さらに、学校の評判や自治体の評判まで貶めてしまうことになります。

残念な対応をし続ける学校がある一方で、いじめに対する新たな取組みも進み始めています。
同じ兵庫県では通信アプリ 「LINE(ライン)」 を使った無料通話相談を始めています。
「LINE(ライン)」 のサービスを利用し 「友だち登録」 すると専用のアカウントにアクセスでき、無料通話機能を使って精神保健福祉士や臨床心理士らが相談に応じるシステムとのことです。

このSNSを利用したいじめ等の相談機能は、全国的に広がりつつあります。
6月1日には、北陸で初めて、富山県がLINEによるSNSいじめ相談を始めています。
茨城県でも、1月の取手市に続いて牛久市でも、専用アプリ 「STOP it (ストップイット)」 を導入しての相談が開始されました。

しかしながら、相談システムを立ち上げただけでは意味がありません。
保護者の皆様には、この相談体制が本当に機能するようになるかどうかを、見守っていただきたいと思います。
積極的な意見を自治体に対してお伝えいただきたいと思います。

簡単に解決できると言うと語弊があるかもしれませんが、いじめ解決の秘策があります。
電話でも、メールでも、SNSでも構わないのですが、相談を受けた教育委員会が、該当する学校に対して
「そちらの学校の○年○組の○○さんから相談がきました。至急、いじめを対処して、明日までに教育委員会に報告書を提出してください。」
と連絡をするだけで、大抵のいじめは解決するはずです。
なおさら、文科省の 「24時間子供SOSダイヤル」 の電話に入ったものは、「文科省まで報告書を提出すること」 にしたら、学校は本気で取り組むはずです。
そうすれば、「いじめは一日で解決できる」 と私たちが訴えておりますように、まさに 「いじめ解決は一日で足りる」 ということが日本の常識になります。

隠蔽を画策する学校があります。
子どもたちを守りたいという対策もあります。
「いじめ問題」 を解決するためのポイントは、「解決するかどうか」 にかかっています。
何度も繰り返し述べていますが 「早期発見・早期解決」 しなければ意味がないのです。

子どもたちの中に、「あそこに相談したら解決してくれる」 という評判が立てば、電話相談でもSNS相談でも相談する子は増えてきます。
子どもたちからの 「信頼を得ること」、それは 「いじめを解決できる」 という実績を積み上げていくことが必要です。
教師、保護者を中心に大人たちが力を結集して、日本のどの地域においてもいじめを 「解決できる」 ような体制を作り上げていかなければなりません。

さあ、まもなく夏休みです。
夏休みを前にして、いじめを持ち越さないことが大切です。
早めに学校と相談して、夏休み前に解決してあげてください。
不安に思うことがございましたら、ご遠慮無くご相談ください。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤 一明

井澤一明ブログ:
http://ameblo.jp/kzizawa/
Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawa
Twitter: @kzizawa

 

いじめHPバナー
※記事以外のコメントはBBSへ投稿下さい。

☆保護者向け掲示板☆       ☆児童・生徒向け掲示板☆
いじめから子供を救え!BBS-おとな向け掲示板-       いじめかきこみ寺-こども向け掲示板-


☆ご協力のお願い☆現代のいじめ問題を多くの人に知ってもらい、日本の子供たちを救う運動を広げるために、「ランキング」への投票を、ぜひお願いします☆m(_ _)m↓(下のバナーを、それぞれクリックしてください)

banner2.gif      ブログランキング・にほんブログ村へ      a_03.gif

↑人気ブログランキング    ↑ブログ村           ↑FC2ブログ

 

[ 2018/07/09 15:04 ] 代表あいさつ | TB(0) | コメント(0)

◆◇ 児童虐待といじめの相関性、その解決には ◇◆ 

180626 ブランコ

◆◇ 児童虐待といじめの相関性、その解決には ◇◆

 痛ましい児童虐待事件によって、未来ある幼い子どもの生命が奪われる事件が続いて心が痛みます。
 いじめの構造を知る上でも、このような事件を起こす人間の心理と成り行き構造について知ることは重要だと思います。
 一人のソーシャルワーカーとして考えを述べてみたいと思います。初期対応に尽力している相談員、ボランティアの方々の何らかの参考になれば幸いです。

 私は、かつて司法福祉の仕事に携わってまいりましたので、実子や連れ子を殺してしまった実母や義父の話を何件も聞いてきました。また福祉現場で、DV被害者の話も複数聞き取ってきました。

 最近も目黒区で、虐待されていた5歳の女の子が3月に死亡し、実母と義父が逮捕されました。
 警察からメディアへ流された情報の中に、実母と義父は、被害児童に対して、「将来、タレントにしたかった」などと言っている、とありました。

 実は、このように、虐待しておきながら、普通の親と変わらないような発言をすることは、決して珍しいことではありません。私も何度も遭遇しています。
 繰り返し体罰を加え、子どもを傷だらけにし、衰弱死させた事件でも、加害者である義父から子どもに関する将来の夢を聞きました。そのうえ、「むしろ親子関係は良かったのですよ。」という涼しげな言葉も聞きました。
 確かに、生活の中には、一緒にショッピングモールに行って買い物をしたこともあるでしょう。そこだけを取り出してみせるのは問題です。

 虐待している親であっても、会社でも、職場でも、そこそこの評価を得ていたりします。人間関係のストレスにさいなまれていたり、金銭関係のトラブルをかかえていたりして、家庭内に八つ当たりの対象を求めていたとしても、職場での外面は良かったりします。
 ですから、被害者を保護すべき警察や行政が、本質を見誤ることが、往々にしてあります。

 虐待の原因の第1の本質は、「認知の歪み」です。
 「認知の歪み」とは、その人の主観を変え、時間の観念も変え、思い出も変えてしまって、妄想の世界に入ってしまっているように見えることです。犯罪者には、珍しくない現象です。
 ですから、客観的な証拠こそが真実だと知っておかなくてはなりません。
 「親子関係は良かった」などと言っていても、死亡した幼児を調べたら、医学的には判明します。

 何十時間も縛り上げてなぜ平気だったのでしょうか?
 飲まず食わずの子どもがどういう状態なのか、どうして思いが及ばなかったのでしょうか。
 あるいは、数か月も閉じ込めて、おにぎり一個で、その間、衰弱して食べることも飲むこともできず、どういう神経だったのだろう、と思われることでしょう。
 暴力の連鎖で、怪我をおっている子どもを、だたの「痛い子」として扱うことのおぞましさに、なぜ気が付かないのだろうと思うことでしょう。
 外部の客観的な視点を持つ人から見たら、まさしく「鬼畜」の行為であったとしても、その人にとっては、「ただのしつけ」の一環なのです。

 第2に、では、実母はなぜ、その行為を止めさせることできなかったのでしょうか。
 義父にしても、実父にしても同じなのですが、実は、児童虐待の現場とDVの現場は重なっていることが多いのです。
 共通項として、女性である母親は、直接的な身体的暴力、罵声や悪言など心理的暴力、性的な服従を強いられている中で、「別れなければならない」と思ってはいます。しかし、毎日の日常の恐怖、さらには、経済的理由などから、逃れることができません。
 そして、配偶者と同じように「認知の歪み」に入り込んでしまいます。
 実際に、暴力で子どもを殺してしまった女性から聞いたものの中には、
「もし、夫が怒って殴ると、子どもは壁にぶつかるくらい飛んでしまう。だから自分がやったほうが、ダメージが少なくて済んだから。」
と言ったものもありました。
 「やらないと自分が殴られるから」とも言っていました。
 実のお母さんから、暴力を振るわれ続けた子どもの中には、脳がすっかり縮んでしまった子もいます。どんなにか悲しかったことでしょう。

 第3に、児童相談所の判断の間違いがあります。
 死亡した子どもの4人に1人は児童相談所が関わっています。
 目黒区の事件でも、相談所の話として、
「親に子どもと会うことを拒絶された。親と信頼関係を築こうと思っていた」とあります。
 さらに、反省点として、「都道府県間のケースの引き継ぎ」や、「一時保護の見極め」、「親が拒否する場合は警察官へ家庭訪問の立ち合い依頼をすべきだった」と述べています。

 しかし、本質的な誤りは、「子どもの人権よりも、大人の自己決定を優先した」 ということです。
 そのような考え方の背景を私はよく理解することができます。
 実際に、福祉系大学の教科書では 「自己決定が大切だ」 と教えられています。
 他の児童虐待の事例においても、
「父母が『施設ではなく家庭で子どもを育てたい』と希望するので、虐待はあっても、家庭で子育てすることを支援することとしたい」
と児童相談所が判断した事例もあります。

 根本的な間違いは、強者である「親の自己決定(意思)」と、弱者である「被害者の子どもの人権(権益)」を、取り違えていることです。
 自分の意思を表明することも決定することもできない、幼い子どもの生命を、そもそも、強者と天秤やふるいにかけることに、間違いはありませんか、というものです。

 児童相談所からこんな話も聞いたことがあります。
「子どもを保護したいが、施設もいっぱい、里親は不足。ケースを見極めて、入れたり出したりして、子どもが自立するまで時間稼ぎをするしかないのだ」
というものです。

 今回、みなさんに考えていただきたいのは、加害者の父親を「いじめ加害者」に、母親を「傍観者」や「いじめ加担者」に、児童相談所を「小中学校」、児童相談所の担当者を「担任の先生」と考えたらどうでしょうか? ということです。
 どうでしょうか、背筋が寒くなりませんか。
いずれにしても、児童虐待ならば「児童相談所」、いじめならば「学校」が、キャスティングボードを握っていることに他なりません。
 責任ある判断は、児童相談所や学校がしなければならないのです。

 それゆえに、学校や教育者でなければ、どうしてもできない仕事があります。それは、加害者への「訓戒」であり「再教育」です。
 しかしながら、子どもへの教育はできても、親に対する再教育は事実上、困難であることも事実です。
 やや話が戻りますが、児童虐待の加害者は、自分が悪かったとは思っていません。
「ちょっとしか、ごついていないのに、おおげさに青あざをつくって失礼だ。」
と、自分が被害者のように言ったりしています。
 このようなメンタルに至るまでの生育歴や、家庭環境が大きく関係しています。しかし、成人を変化させるのは、たいへん困難です。刑罰という、身をもって知る償いに任せることになるでしょう。

 一方で、子どもたちは、「良き教育者」に巡り合うことで、考え方を変え、人生を変えることができます。
 父母に愛されていない子ども、貧困にあえぐ子ども、衝動性を制御できない子ども、言語でなく手や足を出すことでしか表現できない子ども、これらの子どもたちに対して、広く深い人間愛を持って、忍耐強く子どもの魂に語りかけている尊い先生たちがいます。

 昨今では、いじめ被害者といじめ加害者の境界線があいまいになっています。子どもたちはある時には加害者に、ある時には被害者になるということを繰り返しています。
 そういう時代だからこそ、脳が縮み、魂を歪ませ、行為に障がいを生んでいる子どもたちを、あたたかく包んで、忍耐強く繰り返し教えていかねばなりません。
 子どもの感性を伸ばし、相手を思いやる力をつけ、自由と創造性の翼を広げることは教育の使命です。
 先生方は疲労困憊されてしまっておられる方が多いと思いますが、そのご苦労は、必ずや徳の光となって、いずれ魂を輝かせていくと信じています。

前名古屋市教育委員会 子ども応援委員 スクールソーシャルワーカー
堀田 利恵


 

いじめHPバナー
※記事以外のコメントはBBSへ投稿下さい。

☆保護者向け掲示板☆       ☆児童・生徒向け掲示板☆
いじめから子供を救え!BBS-おとな向け掲示板-       いじめかきこみ寺-こども向け掲示板-


☆ご協力のお願い☆現代のいじめ問題を多くの人に知ってもらい、日本の子供たちを救う運動を広げるために、「ランキング」への投票を、ぜひお願いします☆m(_ _)m↓(下のバナーを、それぞれクリックしてください)

banner2.gif      ブログランキング・にほんブログ村へ      a_03.gif

↑人気ブログランキング    ↑ブログ村           ↑FC2ブログ

 

[ 2018/06/26 12:00 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)