◆◇ 子どもたちが、人間関係において適度な距離感を保つためには(その2)◇◆ 

170528 菜の花と少女たち

子どもたちが、人間関係において
適度な距離感を保つためには(その2)

 前回、良い関係性を保つには、一定の距離感を保つことが必要であり、お互いに自立していることが肝要なのだと述べました。

 真実の友情を築くためには、焦らず、ゆっくりと人間関係を育んでいくことが大切です。自分を十分に知ってもらい、少しずつ時間をかけながら関係を深めていくような方法をとることです。このようなことを折にふれて、子どもたちに教えていく必要があります。

 子どもたちには未来があります。
 より大きな目標を達成するために、孤独に耐えることが必要な時期があるのです。そのことを教師や親は教えなくてはなりません。

「時間に正確な人は信用される」
「規則正しい生活習慣を持つことは、将来の成功につながる」
「それは、世の中の役にたつ人になるためです。」
と自信を持って言える子どもにすることです。
 時間とルールを守れない人とは、一定の距離をとるように導いてあげることが重要になります。
 さらに、善悪を区別できない人との付き合い方にも配慮が必要です。

 時には、「今は、遮断しなくてはならない時期だ」 と判断したら、社交的ではないかもしれませんが縁を切ることが大事です。
 但し、一方的に言いすぎると子どもが納得しません。そこから家庭内トラブルにつながることもありますから、「なぜそうなのか」 ということを説明し、納得するまで説得することが大切です。

 大切な人間関係のルールは、大人である教師や保護者が教え、サポートしなくてはなりません。
 とは言っても、なかなか実践することは困難なことでもあります。

 その意味では、帰国子女家庭や外国人のほうがハッキリしています。
 ある外国人の方を紹介します。お子さんは小学6年生、学級崩壊のさなか、そのクラスでは正論が全く通りません。暴力的で悪いグループの影響を受け、普通の子までも荒れて、教員もお手上げ状態でした。
 その子がとうとう情緒不安定になってしまったため、保護者は見切りをつけて、学校に通わない宣言をして、学習塾のみに通い、私立中学を受験し、合格しました。
 その後、私立中学に近い場所に転居することになり、お子さんは卒業式には出席し、親しかった優等生の子ども達には感謝のお手紙を渡していました。

 このような親の決断が成功した事例もありますが、いつまでたっても、午前2時までSNSを止めない子どもたちもいます。そのなかには、こだわりの強い性格の子、特定の障がいの子、家庭が不遇で淋しがっている子もいます。
 ソーシャルスキル教育で対応できる場合もありますが、改善が見られない子どももいます。

 悩み続ける子どもは、総じて、家庭的な背景に課題があることが多く、その保護者も悩みに対して、「判断できていない。どうして良いのかわからない」 状態になっていることが多いと考えられます。決断できない人が悩み続けるのです。

 悩みの渦中にある子供たちは、感情や情緒が不安定になりがちで、相手に依存したり、自分の感情が収まるまで、執拗にメールやラインのメッセージを送ります。
 夜中もです。眠れないまま、感情が高ぶったまま、朝を迎えてしまいます。これでは、お互いに自滅です。

 大切なことは、「今、お友達が悩んでいることは、友人のあなたが解決できますか?」 ということを教えてあげることです。特に、家庭内の経済的困窮や父母の不和などの悩みには、寄りそってあげてもいいですが、「あなたでは解決できないこともある」、と伝える勇気も必要です。
 「どうしても、見放すことが出来ない」、と考える心根の優しい子には、「大人や信用できる人にこの問題を預けましょう、相談しましょう」、と言ってあげてください。
 父母の離婚問題、経済的困窮、係争関係、進路問題もあるでしょう。でも、子どもたちには難しすぎます。どうか大人に相談してください。
 経済的問題の悩みが解決すれば、悩みの8割は消えるとも言われています。

 ストレスをのり越えたとき、それは人生の階段をひとつ昇ったのです。
 のり越えた先には、人生の成功や発展が待っていることを知っていてください。
 朝の来ない夜はありません。必ずのり越えられます。過ぎ去りしストレスの日々はいつかあなたの心の勲章として輝かしいものとなるでしょう。

スクールソーシャルワーカー  村崎京子(仮名)


 

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[ 2017/05/28 17:00 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

井澤一明代表、東京MXテレビ 「田村淳の訊きたい放題!」 に出演 

井澤一明代表 東京MXテレビ
「田村淳の訊きたい放題!」 に出演

 東京MXテレビ (東京メトロポリタンテレビジョン) の情報番組 「田村淳の訊きたい放題!」 に、井澤一明 (いじめから子供を守ろうネットワーク) 代表が出演しました。
 5月6日(土) 午後5時からの同番組では、少年法の改正について意見を求められました。


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【写真】 当事務所で取材を受ける井澤一明代表

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[ 2017/05/23 17:30 ] 活動報告&集い | TB(0) | コメント(0)

◆◇ 子どもたちが、人間関係において適度な距離感を保つためには (その1) ◇◆ 

170518 つつじ

子どもたちが、人間関係において
適度な距離感を保つためには (その1)

 前回、子どもたちのストレスには、人間関係上のものが多いこと、それをのり越えるため、相手の長所を見るようにしましょう、他人に対する寛容さや包容力につなげる教育が大事だ、ということをお話ししました。

 しかしながら、未然に予防教育をしていても、現実的には、ストレスにさいなまれ、視野狭窄になってしまい、もう他のことが考えられない状態になってしまう場合もあります。
 特に、「5月のGW明けや9月1日には自殺が多い」、「注意しなければ」と教育界では言われています。これは、連休中や夏休み中には人間関係の悩みから解放されますが、結局は先延ばしに過ぎず、休み明けが近づくと苦しくて思い悩んで、衝動的な行動に走ってしまうと考えられます。そうだとしたら、とても悲しいことです。

 しばしば、スクールカウンセラーは、「逃げていい。避けてもいいんだよ、休みましょう」と声をかけることがあります。緊急避難的にフリースクールや教育支援センター(適応指導教室)に通うこと、それも大事な選択肢のひとつです。いったん他の空間なり他の人間関係の中でリハビリして元気が回復するのを待つことはとても有効だといえましょう。

 ただし、今通っている学校から離れてしまうと、なかなか復帰しにくく、不登校が継続しがちです。特に、本人の側に正義や理があって、人間関係に軋轢を生んでしまった子どもには、あとあとまで葛藤を生みやすく、心にダメージを負いやすいという難点があります。

 頑張る子、学校に通いたい子、環境を変えたくない子のためにも、できる限り短期間で解決したいものです。その際に、解決法を示してあげることが効果的です。

 近年は、子どもたちが煩わされている、人間関係上のトラブルの一番の原因は、SNSの問題です。スマホ使用は、小学生で40%前後、中学生でほぼ60%、高校生でほぼ100%となっています。
 そのため小中高では講習会や啓発教育が行われています。スマホトラブルや犯罪に巻き込まれないためには大切な教育ですが、子どもたちの肝心の悩みには応えられていません。

 よりよい人間関係を築くためには、適度な距離感を保つことが重要です。
 そのために知っておくべき前提条件は、「パソコンやスマホなど便利な道具で時間が短縮されても、それを利用する人との心の距離感は決して同じように短縮されるものではない」 ということです。
 これを子どもたちに知らせなくてはなりません。
 つまり、現在は 「すぐに返事をくれる子が親友、くれない子はそうでない」、という考え方を持つ子が多いので、このような考え方は、人間関係を考える上で、かえって関係性を狭くする考え方だと教えなくてはなりません。

 子どもたちの悩みの中心は 「感情的な問題」 です。感情のもつれによるストレスです。
 ひと昔前の世界とは異なり、「すぐに結果が欲しい」、「すぐに伝わったかどうか知りたい」、しかも 「自分の思うとおりに伝わったかどうか知りたい」、という欲求に起因するストレスです。
 それは、「既読スルー」 という言葉で表現されるように、「読んだのなら、どうして返事をしてくれないの」、というように、相手をしばってしまうこともあります。

 「いつの間に私のグループは他のグループに移ってしまい、自分だけ、はば(仲間外れ)にされているの?」
 「あれだけのことをラインで言ったのに、学校で顔を合わせても何も言わないのはどうして・・」
というように、本来なら、当然、言葉のキャッチボールで説明しなくてはならないことが、SNSでは、「空気が読めない」、という一言で済まされてしまうことがままあります。

 これでは、子どもは、感情の受け止め方、感情の表し方を学ぶ機会もなく、どうやって考えたらいいかもわからず、結局、感情のコントロールができなくなるのも当然と言えます。

 しかも、昔と違い、父母も共働きしていますから、強いストレスを感じたときに、父母も大人も子どものそばにはいないのです。

 この感情的なストレスを自分でコントロールできるようになるためには、
「相手の心は変わらないものだ。しかし、自分の心は変えられる。相手のことは理解するようにして、自分について反省すべき点は反省し、自分の心構えだけは変えていこう。」
と決意することです。大事なことは、自分を大切にする気持ちです。

 人付き合いの得意な子には、広く浅くサバサバと人間関係を渡っていけるスキルを持っている子もいます。これらの子たちの共通点は、まずは自分を大切にして、深入りせず、適度な距離を取ることを身につけています。

 反対に、情が深く、交友関係を大切にする子や、優しい子は、相手の気持ちに配慮しすぎてしまいます。その優しさに乗じて、ベッタリと密着して、くっ付いて離れない子どももいるのです。
 ひとりの子が他方の子を一方的に援助しなくてはならない関係は、壊れやすく、結果的にお互いが傷つきやすい関係となります。これは、真実の友情ではありません。

 良い関係性を保つには、一定の距離感がどうしても必要です。そして、お互いに自立していることが肝要なのです。(続く)

スクールソーシャルワーカー  村崎京子(仮名)


 

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[ 2017/05/18 17:25 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

広島シンポジウム ご報告 高橋史朗先生の基調講演に感動! 【いじめから子供を守ろう ネットワーク広島】 

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広島シンポジウム ご報告

 4月30日(日)、広島市で、「いじめから子供を守ろう シンポジウム」 を開催いたしました (於:広島市総合福祉センター5階ホール)。
 今回のシンポジウムには、広島県教育委員会、広島市教育委員会、広島市社会福祉協議会から後援をいただきました。


 13時30分に司会が開会宣言。来賓の挨拶に続いて、井澤一明(いじめから子供を守ろうネットワーク)代表が、「いじめの前提について」 と題してお話をさせていただきました。

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【写真】 司会が開会宣言

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【写真】 講演する井澤一明 (いじめから子供を守ろうネットワーク代表)

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【写真】 高橋史朗先生(明星大学特別教授)の基調講演

 そして高橋史朗先生がご登壇。基調講演 「日本の教育といじめ」 をお話しくださいました。
 「親から褒められたことのない子、愛されたことのない子がいる。
 今、学級崩壊のクラスがある学校は1割を超えた。先生方の中にも保護者とどうかかわってよいのか分からず、学校を去る人もいる。学校に入る前に保護者が教えておくべきことが教えられていない子供が多い。
 いじめについては、子供たちの9割が、いじめられたり、いじめたりした経験があると答えているのに、学校では4割の学校がいじめゼロとしている。いじめられても誰にも相談しないと答えた子は39%、我慢する子は54%、そして、自分を守るためにいじめる側になると答えた子が11%もいた。いじめ被害者、いじめ加害者、観衆、傍観者という 「いじめの四層構造」 と言われるが、これが流動的になっている。
 海外での、日本人へのいじめも深刻化している。アメリカに行って講演した際に、質問でいじめについて問われた。「総理に伝えてください」と言われた。
 小さい子は親と目があうことで親との一体感を感じる。一体感があるから他人の痛みが分かる。そうでないと 「共感性」 は育たない。福沢諭吉は 「学問のすすめ」 の中で、自由独立、独立自尊を説いた。真に自由独立自尊という人間を育てるためには、愛着→他律→自律→自立の過程が大切。愛着で自分の存在を受け入れてもらった子は、他の人の自由を受け入れることができる」 などなど、
ホワイトボードを用いて、約1時間にわたり、熱意あふれるご講演をいただきました。
 ご来場の方々は真剣な表情で聴き入っておられました。


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【写真】 高橋史朗先生 ホワイトボードを使って講演

 休憩の後、第2部が開始。最初に有志メンバーによる 「いじめ防止ライブ」 が行われました。オリジナルのいじめ防止ソングなどが披露され、来場者から自然と手拍子が起こり会場全体が一つになりました。

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【写真】 第2部の初めに 「いじめ防止ライブ」  オリジナルのいじめ防止ソングなどを演奏
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【写真】 第2部のパネルトーク 「現代の教育現場の実情といじめについて」

 パネルトークでは、司会の下川原悠生さんも加わり、高橋史朗先生、小学校教諭の太田絢子先生、山本浩徳(いじめから子供を守ろう ネットワーク広島代表)がパネリスト、井澤一明代表がコーディネーターをつとめさせていただきました。
 「現代の教育現場の実情といじめについて」 をテーマに活発な討論がなされました。


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【写真】 パネリスト:高橋史朗先生氏(明星大学特別教授)、太田絢子氏(小学校教諭)

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【写真】 パネリスト:下川原悠生氏、山本浩徳(いじめから子供を守ろうネットワーク広島代表)

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【写真】 コーディネーター:井澤一明(いじめから子供を守ろうネットワーク代表)

 このシンポジウムがいじめ防止の一助になれば幸いです。今後も活動を続けてまいります。
 ご来場の皆さま、ありがとうございました。


 

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[ 2017/05/14 15:30 ] 活動報告&集い | TB(0) | コメント(0)